B5判 112頁
1,800円
(本体価格1,715円)
(2009年1月13日発行)

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 近年、排気ガス規制、燃費規制の強化、操縦・制御に係わる安全装置の高度化、ITS(高度道路交通システム)の進展等により、自動車の電子制御化が急速に進んでいます。
 本書は、こうした高度化、複雑化した自動車を整備する自動車整備士の皆様の「高度整備技術」を支援する目的で、再度前回の活用ガイドの文章・データを増補訂正を施し再編集したものです。

 この高度化、複雑化した自動車の整備を補助するため、国土交通省は一部の自動車から車載式故障診断装置(以下OBD:On Board Diagnosis)の装着を義務付けています。  このOBDには、走行中に発生した車両の不具合情報、故障情報が自動的に蓄積されますので、整備工場においては、まずは整備車両に搭載されたOBDにアクセスし、そこから情報を得て、よりスピーディーに故障原因を探求することが可能になります。
 このOBDにアクセスして情報を取り出すのが外部故障診断装置(以下:スキャンツール)と呼ばれています。

 すでに自動車ディーラーにおいては、自動車メーカーが独自に開発した純正のスキャンツールを活用し、的確に故障箇所の特定を行い整備につなげています。 一方、様々なメーカーの車両が入庫する整備事業者では汎用タイプのスキャンツールが必要です。    
 わが国においては、整備工場への汎用タイプのスキャンツールの普及が欧米と比較して非常に低い状況ですが、2008年10月からガソリン乗用車等への高度なOBD装着が義務付けられました。よって今後は高度なOBDに対応した汎用タイプのスキャンツールの活用が重要となることは間違いありません。

 本書では前半に世界のOBD規制動向、スキャンツールの必要性、整備現場でのスキャンツールによる故障診断法等を解説。後半は、アフターマーケットで幅広く使用されている(株)日立モバイル製の汎用タイプのスキャンツール「ダイアグモニタ(HDM-3000)」の活用ガイドをイラストを多用して、読者に容易に理解されるように配慮し編集いたしました。特に今回の訂正版ではJ-OBDIIの技術基準をより詳しく解説しました。

掲載項目
第1章 OBD規制の概要
1.米国OBD規制の経緯と現状
2.ドイツにおけるOBD規制と排気ガス検査・整備の実態
3.日本のOBD規制の経緯と今後


第2章 これからの故障診断技術
1.これからの故障診断は
2.故障診断の進め方は


第3章 「高度なOBD」への対応
1.OBDの仕組みについて
2.「高度なOBD」規制施行までの経緯
3.「高度なOBD」の概要
4.外部診断機に関係するISOの規格について
5.HDM-3000「グローバルOBDIIソフト」
6.海外の車検制度と国内の車検制度の比較


第4章 スキャンツールの活用
1.HDM3000の各部の名称と車両への接続
2.診断ソフトの操作
3.外部計測機能
4.HDM-3000を活用した故障診断と点検整備


第5章 5ガステスタ
1.排気ガス中の有害物質
2.エンジン電子制御システムの排気ガス浄化の仕組み
3.5ガステスタを使用した車両点検


第6章 HDMで見る最新の自動車
1.どれ位、自動車は進化しているのか?
2.軽自動車も電子制御化が進展
3.多重通信化も進展
4.HDM3000用三菱車ソフト
5.エンジンを見る
6.ATを見る
7.ABSを見る
8.エアバッグを見る
9.エアコンを見る
10.LINを見る
11.ETACSを見る
12.パワステを見る
13.今後の対応について